その恋の行方は…【完】
ほのかがまだ暴れる可能性は0ではなかったので、いつでも押さえられるように

彼女が視界に納まる少し離れた床に座った。

自分で靴下をゆっくりと下げ、ガラスの刺さっている場所を見つける。

それは指の先ほどの大きさでそんなに大きくなかった。

俺は一瞬ためらったが、心を決めてそれを思い切って引き抜いた。

少し血がにじんだので、ポケットにあったはずのハンカチを探し患部を押さえる。

押さえた瞬間に少しだけ痛みが走り、顔が歪む。

「佐々木さん」

「なんだ?」

「手当できるものはどこですか?」

「TVに下の棚の中に白い箱があって、薬や、カットバンが入っている」

「じゃ…」

ほのかが立ち上がろうと体に力を入れたようだったが…

動かなかった。しばらくの間があり、蚊の鳴くような小さな声で

「…ごめんなさい」

と彼女は申し訳なさそうに謝る。

「いや、いい。落ち着いたら、自分で取りに行くから…

お前こそ、危ないし、ケガをして欲しくないからそのままそこに座っていて動くな」


しばらく押さえていたら、血は止まった。

幸い、それ以外に刺さったようなところはなく、俺は片足とびで白い箱を取りに行って、

自分で手当てをした。
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