その恋の行方は…【完】

手当をすますと、今度はソファーの周りをかたづけた。

割れたガラスを拾い、新聞紙に包んで、ごみ袋に入れる。

テーブルの枠が邪魔になったので、狭い納戸の方に移動させた。

クッションもガラスの破片が残っていたら怖いので

一緒に捨てることにした。


その間中、ほのかは俺のやっている事に顔を向けて視線で追っているようには見えたが、

心はここに非ずといった感じだった。

片付けが済むと俺はキッチンに行ってコーヒーとカフェオレを用意して

トレーに乗せほのかの元に戻った。

ほのかの視線を追いながら、目の前にカフェオレのマグを差し出してみたが…

目で追ってきても手は出なかった。

俺は、さっきまでテーブルがあった場所に座り、ほのかと向い合せになった。

「飲まないか?」

ほのかは横に首を振る。

「何か胃に入れないか?夕飯は食べたのか?」

また、首を横にしか降らない。



何があって、どうしてこんなことになったのか、暴れたり物を壊したりなんて

ほのからしくない。

あのどす黒く渦巻く感情に支配されたほのかの苦しみは…

何から来ているのか。

いつまでたっても何もわからないことがより俺をイラつかせた。

そしていらつきに任せて、つい

「何があったんだ…」

俺は何も悪くないほのかに向かって…

悪夢を呼び覚ます言葉を投げてしまった。
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