その恋の行方は…【完】

俺は、ほのかをどうしていいのかわからなかった。


心が読めると言っても、それだけのこと。

ほのかを癒すことも、ほのかの痛みを取り除くことも…

俺にはできない。ただ見えるだけだから。

俺は、ほのかを癒す力が、痛みを取り除く力が欲しかった。

でもそんな力簡単に与えられるものじゃない。

心を読める…本当はそれだけでもすごい事なのに、

今の俺にとっては何の役にも立たず、迷惑なだけだ。

自分に腹が立つ。でもそのイライラをほのかに向けるのはお門違いと言うものだ。


とにかく何があったのか聞くのはやめた。今はもうこれ以上刺激しない方がいいだろう。


いつの間にか、涙を零したままほのかはソファーで静かに眠っていた。

とりあえず、ほのかを起こさないようにそっと抱き上げ寝室に連れて行き、

俺のベッドに寝かせた。


おそらく、このまま家に帰るのはもう無理だろう…

そして俺は、ベッドに寄りかかりブランケットをかぶって座ったまま寝た。


ほのかは、その後何度か1、2時間寝ては、叫び声をあげて起き上がり、

ベッドの端で体を抱えて震えた。

俺はその叫び声で目が覚め、その度にほのかに声をかけ、落ち着かせ、寝るように促した。

俺はそれを何度か繰り返すうちに、このまま何も聞かずにほのかに寄り添おうと思った。


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