その恋の行方は…【完】
それから数日、ほのかはトイレにふらふらと行く以外ベッドから出なかった。

意識が比較的はっきりしているときには、ぽつぽつとだが話せる時もあれば、

死んだ魚のような目をして、叫ぶこともあった。

悪夢を見ているのか唸ったり、突然がばっと目覚めたりする。

落ち着いているときに、水分や軽い食事を無理矢理摂らせた。



それでも満足のいく量には程遠かったが…

こんなことでほのかを失うなんて考えられなかったから。

俺は、長期戦を覚悟してメールをした。

[しばらくの間、毎日飲み物と3食2人分の軽い食事を作って届けて欲しい。

携帯は返事を見たら切る。また、こちらから連絡する。]

こんな状態のほのかから、目を離す時間をできるだけ短くしたかった。

もちろん丸一日、一人にできるわけもなく…

[了解。]

その返事を見て、俺はもう1通メールをする。

[もう、お前の思うようにはならない。俺に関わるのをやめろ。]

それを送信できたのを見届けてから携帯の電源を切った。

そして、俺はしがらみを捨てた。

俺のベッドに…ほのかが眠っている。

俺は微笑みながらほのかの眠る俺のベッドの脇に腰を下ろして静かに目を閉じた。

END
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