その恋の行方は…【完】
眞人を捜すことに行き詰った頃のある夏、俺はほのかを花火に誘った。

それをきっかけに俺はほのかにだたつきあい、ただ見守るだけでなく、

時々あちこちに俺の用事と称して連れ出した。

「眞人の事が気になるのはわかるが、気晴らしも必要だろう…」

そう言い訳をして彼女をつきあわせた。彼女も何も言わず俺に付き合った。


それは大学を卒業してからも、ほのかへの思いが断ち切れず

それなりに遊んではいても特定の恋人を作ろうとすら思わなかった

俺の唯一のわがままだった。


眞人を探しながら…

俺たちはあちこちに一緒に行った。友達以上恋人未満。

それでも俺にとっては幸せを感じるときもある時間だった。

そうやって変わらない時間が流れて行った…


そうしていれば、いつか、いつかほのかの気持ちも…

そういう下心ももちろんあった。

でも、そんな時間を何年重ねても、色々なところに二人で行って

ほのかと色々なものを共有するようになっても彼女の気持ちだけは…

変わらなかった。


いつも眞人の面影を追いかけていて…

二人でいるときにも似た後姿を見ると追いかけて行って

その姿の主に声をかけていた。
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