その恋の行方は…【完】
そんな時俺の目の前に、気になる女がちらついた。

仕事の研修でうちの課に来た女。

見れば見るほど、関われば関わるほど気になった。

いつもの悪い癖。一度喰ってしまえば治まるだろう…

そう思って研修最終日の飲み会の後、そのままホテルに引きずり込んで…

これなら来週から彼女は違う課に行くので後腐れない。

男はいるのに、遠距離でご無沙汰らしいから…

いい感じならそのままと思った。

いつものように、ただ一夜の夢。ほのかの身代わりの女。俺だって男だから

そういう衝動はもちろんある。でも自分でいつもは虚しい。

望んだ相手ではなくても嫌悪感がない相手なら…

柔らかい人肌は心地いいもの。

浴室に消えた彼女に連絡先とお金だけおいて、

俺はホテルを後にした。これで、しばらくはこんな事しなくて済むだろう…


それなのに、なぜかその後も彼女の事が気になって仕方がなかった。

今まで感じたことのない感情を俺はどうしたらいいのかわからなかった。

どうしても彼女にちょっかいを出してしまう。

その姿を探してしまう。追いかけてしまう…

そんな自分の感情が信じられなかった。わからなかった。

ほのかがいつまでたっても振り向かないから…

俺はおかしくなってしまったのだろうか?

彼女とほのかの間を揺れ動く躰と心。

どちらも気になるのに、どちらともうまくいかない…


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