その恋の行方は…【完】
そんな気持ちになっていた今年の夏。

花火を見た後、俺はほのかを駅まで送って行った。

別れ際、切符を買い終わったほのかが俺に振り向きにっこり笑い

「二人で会うのはもうやめましょ…」

突然一方的に拒絶するような言葉を吐いた。



俺は何が起こったのかわからず、思わずほのかに掴みかかって

「なんでだ!なんで突然そんなことを言うんだ!!」

出た大声に自分がびっくりし、周りの視線を集める。

一気に見られて恥ずかしくなり、俺は両腕を降ろした。

そして、気持ちを落ち着かせようとトーンダウンしながら

「どうしてなんだ?何かあったのか?」

ほのかは微笑んだまま

「私、佐々木さんを私のわがままで縛っているんだなあと

この頃思うようになったんです」

「なんでだ?友達なんだから何も遠慮することはないじゃないか?」

「友達…?確かに私たちは学生時代からの付き合いだけど、

私達の関係は本当に友達なんでしょうか?男女に友達という関係は

成立するのでしょうか?」

「俺は…

ずっと友達だと思ってきた。だから、お前もそう思ってくれていると…」

「私には…

男女に友情が存在するかわからない。ただ、あなたと今のままのような

付き合い方があなたの為にならないのではないかと思うようになったの…」


俺は、結局その時ほのかの誤解を解くことができないまま別れるしかなかった。
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