その恋の行方は…【完】
そして、早朝…

まだ朝とも言えない暗闇の中、目が覚める。ここが自分の部屋じゃなく、

寝返りを打つと隣に誰かわからない女がいる。それを見た瞬間、苦い味が口の中を満たし、

胸が苦しくなって、後悔がどっと押し寄せる…

またか…

我慢できない衝動に自分を罵っても…

ヤッたことがなくなるわけじゃない。

俺は眞人がいなくなってからの5年、特定の相手を作ることなく

こんな虚しいことを繰り返していた。

いつの間にか、そういうことに疲れ果てていたんだろうか…


この頃そういう慰めを求める相手が…

ある一人の女になった。

性格は全く違うのに、名前の響きが似た女。

俺は汚い。ほのかへの想いを断ち切れないくせに…

いつの間にかその女に特別な感情を持ってしまった。

そしてその女を、何も約束できないこんな状態のまま自分のものにしてしまった。

彼女は何も知らない。ほのかもそれは同じ…

どうせほのかと結ばれるが無理なら…

せめて相手くらい自分で選びたい。オヤジの言うとおり政略結婚させられるなんて論外だ。

彼女なら…

彼女なら俺とほのかの事をわかってくれるはずだ。

それは俺の推測でなく確信だった。








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