笑ってくれますように
答えは既に決まっている。
でも、こんなに真剣な近江くんの気持ちを断ることに躊躇いが出た。
「………ごめんなさい。近江くんの気持ちには応えられないです。」
私は、瀬越が好きだから、近江くんの告白には応えられない。
それでも、純粋に好意を抱かれたことは嬉しかった。
「そっか……。好きな人いたりするの?」
「うん。好きな人いるよ。」
だからね、近江くんの気持ちがわかるんだ。
今になって初めて恋をして、初めてどれだけ切ないものなのかわかった。
同時に、嫌われるかもしれないという恐怖も知っている。