笑ってくれますように
莉乃の髪の毛をいじりながら、そのあどけない寝顔を見る。
かわいい。
かなりキュンとする……って乙女か俺は。
好きな人……いるんだよな。
誰かわからないけど、すごく嫌だ。
莉乃に彼氏が出来たら、俺は絶対に荒れるな。
「絶対に惚れさせてやる。」
たとえ今、他の誰かを想っていても。
俺を好きって言わせてみせるから。
「覚悟してろよ。」
誰にも渡さない。
初めて本気で惚れた女だから、そう簡単には手放せない。
「好きだよ。」
静かな教室に、俺の言葉だけが響いた。