笑ってくれますように
「………どうりで、瀬越の彼女の話を聞いたことが無かったんだ。」
そりゃ、他校なら中々噂にならないよね。
今まで優しくされて、かっこいい姿見させられて……
期待した私が馬鹿じゃない。
「嫌なこと……知っちゃったな。」
まさか文化祭でこんなに心が痛くなるなんて思わなかった。
痛くて痛くて……涙が出てきた。
走りながら止まらないそれは、
走っていると涙は横に流れてしまうことを知った。
「あーあ……。」
やっと走るのは止めたのは、グラウンドに出た時だった。
「最悪最低の日だよ。」
好きになるって、こんなにも辛いんだね。