笑ってくれますように
「ほら、一口でも食べてないと薬も飲めねぇぞ。」
確かに早く治したいけど……
「瀬越……あの、彼女さんに罪悪感が……」
そろそろさすがに遠慮しないとまずいと思う。
「は……?彼女?」
瀬越は不思議そうに私を見た。
「なんだそれ。とりあえず食え。」
瀬越は隙をついて、私の口の中にスプーンを入れてきた。
「はふ。」
熱いけど……だからこそ美味しい。
「どうだ?」
「美味しい……」
なんか彼女の話が、どっかに消えちゃったけど。
まあ、瀬越がいいなら今日だけ甘えさせてもらおう。