笑ってくれますように
玄関のドアが開く音とともに、男の声が家に響いた。
「あれ?姉ちゃんいねぇの?」
廊下を歩く音がリビングに近付いてくる。
ガチャ
「あ、姉ちゃん………って、姉ちゃんが男を連れ込んでる?!」
「違うからっ!」
勘違いした男ーーーもとい、我が弟の言葉を否定する。
「「誰??」」
ピッタリそろった2人の言葉。
「あ、えーと。」
顔見知りではないのだから、当たり前なんだけどね。
「こっちは弟の 理央 (りお) 。
で、こっちがクラスメイトの 瀬越 竜哉。」
お互いの名前を軽く紹介する。