笑ってくれますように
バレンタインデー9ヶ月前
名前の呼び方
5月に入ると、私と瀬越くんの仲は大分良くなっていた。
「おはよう、莉乃。」
「あ、おはよう。」
好きになってからというもの、
恥ずかしくて、上手く話せない私。
まさか恋が、こんなにも恥ずかしくなってしまうものだとは思わなかった。
「みちるーーっ」
「何よ?」
彼と話したくても、話しかけられない。
「何で……こんなにも上手く対応出来ないんだろう?」
好きな人の前だと、どうしてもいつもどうりにいられない。
「もしかして、莉乃ってツンデレなんじゃない?」
「違うよ。」
そんなこと一度も言われたことない。