笑ってくれますように

ポンポンと頭を撫でられる。



温かい手のひらが、すごく優しい。



この手、好きだな。




「じゃあ、今日は金曜日だから、週末しっかり休んで、週明けには治して来いよ。」



「うん。」




瀬越は笑って、手を振ってくれた。



「じゃあな。」



「またね。」



週明けまでに治して、瀬越に会えるようにしなきゃ。



「家まで送らなくていいから」と言われて、もっと一緒にいれないことが残念だったけど、玄関でお別れした。




「ありがとう……」






「なんだ。片思いってわけじゃないんだ……」



理央がそう言っていたのは、私には聞こえなかった。