笑ってくれますように
「行くぞ。」
「行くぞってどこよ。勝手に決めないでよね。」
「うるさいツンツン娘。」
なんだかんだ言いながら、そのまま瀬越について行く。
「ここってーーー」
歩いて数十分。
目の前に建っている建物を見る。
まさかとは思うけど……
「俺の家。早く入れよ。」
さも当然のように言う瀬越に、開いた口が閉じない。
「お…お邪魔しまーす。」
シーン…
誰もいないのかな?
「舞花ー?いないのか?」
シーン…
瀬越が言っても、帰ってくるのは静寂だけだ。