笑ってくれますように
あまりにスイスイと解いていく私に、瀬越は疑問を感じたようだ。
まあ、それは当然なんだけど。
「なんか、一週間前に解けない問題が頭から離れなくて……」
「そういえば、さっきもそんなこと言ってたな。」
一応、気になるから、その問題はいつでも持ち歩いている。
「それ、見せてみろよ。」
瀬越に言われ、鞄からプリントを取り出す。
「ーーこれってさ、莉乃の受ける大学の過去問に出てきたやつじゃねぇ?」
「え??」
言われてみれば、そんな問題があったような無いような……
「というか、なんで瀬越が私が受ける大学の過去問を知ってるの?」
そもそも、私は瀬越に大学の名前教えてないと思うんだけど。