笑ってくれますように



なんか、解けてしまうと脱力感に襲われた。




「休憩するか。」



瀬越は、そう言うと自分も脱力したように漫画を読み始めた。




「瀬越、ありがとう。」



「どういたしまして。」




せっかく素直に言ったのに、こちらを見もしない瀬越。



その様子になんとなくイラっとする。




「瀬越。」



「ん?」



「瀬越、瀬越。」



「何だよ。」




瀬越は返事だけで、漫画から目を離さない。



こうなったら何がなんでも、漫画から目線を外させたい。



そんな気持ちが湧き上がってきた。




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