笑ってくれますように
「顔赤いけど……大丈夫?」
尋常じゃない赤さの瀬越に、熱があるんじゃないかと心配になってきた。
額に触れようと、私は手を伸ばしたーーー
ぎゅっ
「ひゃぁっ?!」
すると、その手を掴まれ、体を引っ張れた。
気付いたら、もう体は瀬越の体に包まれていた。
「あんまり煽んなよ。」
困ったように笑う瀬越。
「熱あるの?」
「は?」
瀬越の声を無視して、首を傾けながらもう一度手を伸ばした。
「あー、もう。っとに莉乃は…」
そんな声が聞こえた気がした……