笑ってくれますように
「……っはぁ……はぁ…」
やっと解放された唇。
酸素を求めて、呼吸が荒くなる。
「どう……し、て…」
前もこんなことあった。
急にキスされて、戸惑った。
「あのな、莉乃……」
私の視界に、瀬越の真剣な瞳が映った時だった。
ガチャッ
「タツくん、いるー?」
突然開いたドアに、私は慌てて瀬越から離れた。
「あ、莉乃さん!来てたんですか?」
「あ、舞花ちゃん……」
ドアを開けて入ってきたのは、舞花ちゃん。
「タツくんと、勉強をしていらっしゃるんですか?」