笑ってくれますように



舞花ちゃんのお陰か、さっきの気まずい雰囲気がほつれていた。




「さっきの問題、もう一回復習しとけよ?」



「うん。わかってる。」




2人とも顔を見合わせて笑った。




「お互い、さ。頑張ろうな。」



「うん。瀬越も落ちちゃダメだよ。」



「わかってるっつうの。」




なんとなく小指を出すと、瀬越が絡めてくれた。




「じゃあ、お互い受かろうな。」



「うん、約束!」




2人で受かるといいね。



そして、いつか瀬越に告白できる日が来ますように。




この日、私は色々な意味を込めて、小指を離したーーー






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