笑ってくれますように
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「で、どうすんのよ?」
「どうするって言われても……」
放課後の教室。
いつもなら、既に人がいない時間なのに、バレンタインデーのせいか多くの人が残っている。
「もうチャンスは今しかないんだよ?!」
「でも……」
もう嫌われちゃったのかもしれない。
だって、あんなに酷い言い方して。
傷付いた顔をさせてしまったのだから。
「後で後悔することになるよ?」
私の視線の先には鞄。
友達たちと交換したチョコの1番下に、瀬越にあげるはずのチョコがある。
「今、行かなくていつ行くのよ?」
私は……
怖くて、最初の一歩が踏み出せない。