笑ってくれますように
残念そうな顔をして、他のブースを見る莉乃。
値段を見るとなかなか高い……が、俺は手にとってレジに向かう。
もともとホワイトデーで一ヶ月記念。
だから、今日の放課後デートは莉乃へのプレゼント探しも兼ねていた。
「莉乃。」
「これ、買ってきていい?」
「貸して。」
今日は、莉乃が買う予定のものは何でも買うつもり。
……そんなこと言ったら、遠慮するから、絶対に言わないけど。
「えぇっ?!悪いからいいよ。
自分で買う!」
「何言ってんだよ。俺が買いたいんだよ。誰も莉乃にあげるなんて言ってない。」
「え?!」