笑ってくれますように
「嘘だよ。ほら、」
会計を済ませた商品を莉乃に渡す。
「もうっ!嘘なんてつかないでよ。………あれ?上手く丸め込まれた気が。」
気のせいだ。
結局、ほとんど何も買おうとしなかった莉乃。
こいつ物欲無いのかよ?
帰り道。
莉乃の小さな手を繋いで、歩幅を合わせて歩く。
こういうのって、幸せ感じるよな。
「瀬越。本当にお金返すよ?」
「いいの。彼女に金を払わせたくないだけ。」
「でも、私が買いたかっただけだし……」
そんなこと気にしなくていいのにな。