笑ってくれますように
「本当にお前に可愛くないな。」
「私に可愛さを求めても無駄だってこと、わかりなさいよ。」
今の瀬越の言葉に、私は傷付きながらも、そんな様子は見せない。
「じゃあ、教室に入るから。」
私は瀬越の横を通ると、教室へと入った。
そのまま自分の席には向かわず、みちるの席に行く。
「みちる、置いてくなんて酷い。」
「だって、女子の視線痛いんだもん。」
お陰で、標的は私だけになったんですけど。
「ていうか、どうせ瀬越は私には何も言わないと思う。」
「えっ?」
「何でもないよ。今度はあいつに何を言われたの?」