笑ってくれますように
「みちる、渡せたよ。」
「良かったじゃん。」
教室の外で待っていたみちるに声をかける。
「プレゼント、何にしたの?」
「キーホルダーとシャーペン。」
「なんか、普通だね。」
だって無難な物でしょ?
彼女じゃないのに、アクセサリーとか渡せないし。
「きっと瀬越、今頃すっごいニヤついてると思う。」
「何で?」
みちるは飽きれた顔をした。
「何で気付かないか、逆に不思議なんだけど。」
その日、結局みちるは理由を教えてくれなかった。