笑ってくれますように
「おらー。お前ら始めんぞ。
ペア組んだな?順番のくじ引けよー。
そろそろ始めんぞー。」
先生の声に、私たちはさっき引いたくじを開く。
「……Cコース18番だな。」
A、B、Cと3コース用意された、肝試しの舞台。
途中にあるお札を取って先に進み、ゴールは、あの山大屋。
さっきから震えの止まらない私は、気付けば瀬越が手を握ってくれていた。
「大丈夫だから。俺から離れんなよ?」
コクコクと頷き、繋いでないほうの手で、瀬越の服の裾を握った。
「あー、くっそ……可愛いな。」
瀬越の声は恐怖でいっぱいの私の耳には届かない。