笑ってくれますように
私の声が漏れると、ゆっくりと瀬越の顔は離れていった。
「……行くぞ。」
気がついた時には、私は自分の部屋に戻っていた。
「キス……?」
自然と自分から漏れた言葉に、徐々に顔が赤くなる。
えっ?!
あれは……キスだった?
自然と指で唇に触れる。
「温かかった。」
恥ずかしくなり、布団にくるまった。
「莉乃ーー?」
隣でみちるが声をかけてくるけど、それどころじゃない。
「あっ///」
私、瀬越とキスしちゃったんだ。
私のファーストキス……
少しだけ、本当に少しだけ……甘かった気がした。