笑ってくれますように
「瀬越のばかーーっ!!」
私はパーカーを奪うと、上から着た。
そのまま、瀬越を振り返らずに、スタッフルームから飛び出して走った。
「はぁ、はぁはぁ。」
「おかえり莉乃……どうしたの?ていうか遅かったね。」
みちるは不満そうに私を見る。
「何でパーカーなんか着てるの?!
いつの間に着た?!」
どうやら、長い間待たされた挙句、私がパーカーを着ているのが不服らしい。
「なんでその体型で隠す必要があるかな?」
私の体をジロジロと見る。
確かにみちるの趣味は人間観察だけど、それじゃあただの変態だよ。