笑ってくれますように
瀬越は走って教室を出て行った。
そんなに焦らなくても待ってるのに。
笑みがこぼれながらも、私は自分の机に荷物を置いた。
さて、どうしたものか。
みちるは「さようなら」の後すぐに、航平くんの所に行ったし、
あいにく読書は得意な方ではない。
……勉強するか。
教室で自習というのも楽しいかもしれない。
そうこうするうちに、気が付けば教室に残っている人はかなり少なくなっていた。
「さて……」
教科書とノートを広げ、ルーズリーフを取り出す。
要点だけまとめるのが、自分に合った勉強の仕方なのだ。