笑ってくれますように
慣れない呼び名で呼ばれる中、ふと疑問に思った。
私がまだいてくれて良かった……?
確かに近江くんはさっき、そういうことを言った。
「えっと……私に用があるの?」
「ああ、うん。」
心当たりのない私は、立ち上がって近江くんの近くに寄る。
「えっと……何かな?」
瀬越に言われて残っていたから良かったけど……
「本当は、昼休みとかにわたすつもりだったんだけど……タイミングがつかめなくて。」
そう言った近江くんに差し出されたのは、綺麗に包装されたプレゼント。
「ハッピーバースデー、莉乃ちゃん。」