ロング・ディスタンス
ふと目の前の友人を見ると、片袖に透明の欠片が付いているのに気付いた。
「あ、ゴミ」
成美はそれをつまんで取る。
「セロファン?」
「あ、それは!」
栞が表情を変える。
「何のゴミだろ」
特に気に留めるようなことではないので、成美はまたおしゃべりに戻ろうとした。
だが目の前の友人の顔を見ると、彼女は目を潤ませている。ただゴミを取り除いただけなのに、何がいけなかったのだろうか。彼女は微かに肩を震わせ、必死で涙をこらえている。
「……栞。どうしたの?」
成美の問いかけに友人は何も答えない。ただ黙って唇をかんでいる。一体どうしたというのだろうか。
「私、何か変なこと言っちゃったかな?」
成美がそうたずねると、栞が首を振る。
「……何でもないの……放っておいて」
「あ、ゴミ」
成美はそれをつまんで取る。
「セロファン?」
「あ、それは!」
栞が表情を変える。
「何のゴミだろ」
特に気に留めるようなことではないので、成美はまたおしゃべりに戻ろうとした。
だが目の前の友人の顔を見ると、彼女は目を潤ませている。ただゴミを取り除いただけなのに、何がいけなかったのだろうか。彼女は微かに肩を震わせ、必死で涙をこらえている。
「……栞。どうしたの?」
成美の問いかけに友人は何も答えない。ただ黙って唇をかんでいる。一体どうしたというのだろうか。
「私、何か変なこと言っちゃったかな?」
成美がそうたずねると、栞が首を振る。
「……何でもないの……放っておいて」