ロング・ディスタンス
太一はため息をついてリビングに座り込んだ。もう、シャワーを浴びる元気すらない。
どうしたものか。
恋人は怒って出ていってしまい、しばらく連絡を取ることすらままならなさそうだ。
視界の端に、栞が置いていった白いレジ袋が目に入った。
何気なしに手に取ると、そこには冷凍食品のうどんと洋菓子店の紙袋が入っていた。うどんは彼女が彼の夜食のために買ってきてくれたものだろう。
洋菓子店の包みを開けると、その中には保冷剤とカスタード・プリンが4つ入っていた。卵色のプリンの中にはバニラビーンが散っている。
ああ、彼女はどうして俺の好きなものがわかるんだろう。
太一は思った。
今夜、栞と一緒に「夜だけど食べちゃおう」なんて言いながら、二人でこのプリンを食べたかった。「とても美味しい。これが気に入った」と言って彼女を喜ばせたかった。
だけど今夜、彼女は彼の横にはいない。
彼女は辻堂家の客用布団にくるまって、さめざめと涙を流しているのだろう。
それを思うと太一は、ただただもうため息しか出てこない。
一体どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
どうしたものか。
恋人は怒って出ていってしまい、しばらく連絡を取ることすらままならなさそうだ。
視界の端に、栞が置いていった白いレジ袋が目に入った。
何気なしに手に取ると、そこには冷凍食品のうどんと洋菓子店の紙袋が入っていた。うどんは彼女が彼の夜食のために買ってきてくれたものだろう。
洋菓子店の包みを開けると、その中には保冷剤とカスタード・プリンが4つ入っていた。卵色のプリンの中にはバニラビーンが散っている。
ああ、彼女はどうして俺の好きなものがわかるんだろう。
太一は思った。
今夜、栞と一緒に「夜だけど食べちゃおう」なんて言いながら、二人でこのプリンを食べたかった。「とても美味しい。これが気に入った」と言って彼女を喜ばせたかった。
だけど今夜、彼女は彼の横にはいない。
彼女は辻堂家の客用布団にくるまって、さめざめと涙を流しているのだろう。
それを思うと太一は、ただただもうため息しか出てこない。
一体どうしてこんなことになってしまったのだろうか。