ロング・ディスタンス
休日は布団にくるまって、上手くいかない人生と恋愛のことを考えながら、部屋でうだうだと過ごす。去年までの週末パターンが復活した。
太陽が空の真上に昇ったというのに、栞はジャージ姿でゴロゴロしている。この前島に行ってから、太一から何度もメールが届いているが返信は送っていない。返さなきゃいけないと思うけど返す気がしないのだ。そういうのを無視している状態って呼ぶのだけど。
栞は先日のことを思いだしている。辻堂家を出る時、美加子は「長濱先生には言い分があるみたいだよ。ちゃんと彼の弁解を聞いてやりなよ。何があったのか知らないけどさ、彼は変なことする人じゃないと思うよ」と言っていた。彼は美加子に事の詳細までは話しておらず、彼女はただ二人が痴話ゲンカでもしているのだと思っているようだ。
彼には言い分があるって言うけど、半裸の女と抱き合っていて、それが浮気じゃないなんてどうやって言い訳するつもりなんだろう。彼女に迫られたっていう可能性もあるけど、何でそんなにかんたんにあの段階まで進むのだ。
栞は苛立っている。
せっかく好きになれる独身男性に出会って、相思相愛になれたと思っていたのに、あっという間に彼を島の積極的な女に奪われたということなのだろうか。これで過去の辛い恋愛を忘れられると思っていたのに、結局いつも上手くいかないように運命は仕組まれているのだろうか。「俺を信じてほしい」という彼の言葉は嘘だったのか。
思考というものはついついネガティブな方に向かってしまう。
休日の今日も朝から太一が何度か携帯に電話をかけてきているけど、栞は出ていない。
太陽が空の真上に昇ったというのに、栞はジャージ姿でゴロゴロしている。この前島に行ってから、太一から何度もメールが届いているが返信は送っていない。返さなきゃいけないと思うけど返す気がしないのだ。そういうのを無視している状態って呼ぶのだけど。
栞は先日のことを思いだしている。辻堂家を出る時、美加子は「長濱先生には言い分があるみたいだよ。ちゃんと彼の弁解を聞いてやりなよ。何があったのか知らないけどさ、彼は変なことする人じゃないと思うよ」と言っていた。彼は美加子に事の詳細までは話しておらず、彼女はただ二人が痴話ゲンカでもしているのだと思っているようだ。
彼には言い分があるって言うけど、半裸の女と抱き合っていて、それが浮気じゃないなんてどうやって言い訳するつもりなんだろう。彼女に迫られたっていう可能性もあるけど、何でそんなにかんたんにあの段階まで進むのだ。
栞は苛立っている。
せっかく好きになれる独身男性に出会って、相思相愛になれたと思っていたのに、あっという間に彼を島の積極的な女に奪われたということなのだろうか。これで過去の辛い恋愛を忘れられると思っていたのに、結局いつも上手くいかないように運命は仕組まれているのだろうか。「俺を信じてほしい」という彼の言葉は嘘だったのか。
思考というものはついついネガティブな方に向かってしまう。
休日の今日も朝から太一が何度か携帯に電話をかけてきているけど、栞は出ていない。