ロング・ディスタンス
 その後、新郎の友人たちが仮装をして余興を披露してくれた。高校時代のサッカー同好会の仲間である。それから、成美の伯父さんがスピーチをしてくれた。お調子者で普段はダジャレばっかり言っている伯父さんが、この日ばかりは涙を流して演説していた。
 最後に、司会者が新婦から両親に宛てた手紙を読み上げた。自然と涙がこみ上げてきた。26年間の思い出が一気に頭の中を駆け巡る。隣にいる光太郎も手の甲を目に当てて男泣きしていた。彼は情に厚い先生なので結構涙もろいのだ。

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