ロング・ディスタンス
「栞。今日は来てくれてありがとう」
成美の方から、笑顔を浮かべて声を掛ける。
「うん」
「こないだはごめん」
「ううん、いいのよ。こっちこそごめん」
栞は一旦目をそらしてから、また友人の顔を見る。
「成美。おめでとう。いいお式だったよ」
「ありがとう」
成美は友人の手にピンク色の小さな手提げを渡した。粉砂糖がまぶしてあるアーモンドの菓子が入っている。
「私、あんたにも幸せになってほしい」
成美は栞の白い手を握った。
「そう」
栞が静かに返事をした。そして彼女はそっと親友の手をほどき、「またね」も言わずにその場を後にした。
成美の方から、笑顔を浮かべて声を掛ける。
「うん」
「こないだはごめん」
「ううん、いいのよ。こっちこそごめん」
栞は一旦目をそらしてから、また友人の顔を見る。
「成美。おめでとう。いいお式だったよ」
「ありがとう」
成美は友人の手にピンク色の小さな手提げを渡した。粉砂糖がまぶしてあるアーモンドの菓子が入っている。
「私、あんたにも幸せになってほしい」
成美は栞の白い手を握った。
「そう」
栞が静かに返事をした。そして彼女はそっと親友の手をほどき、「またね」も言わずにその場を後にした。