ロング・ディスタンス
再会
年度末の忙しい時期だったが、栞は待ち合わせの店に現れた。これまで疎遠であっただけに、正直ここに来てくれるかどうか不安だった。もう「親友」などと呼べるかどうかもわからないほど久しぶりの再会。何でこうなってしまったのかわからない。お互い忙しかったからだろうか。互いが属する世界が変わってしまったから、すれ違ってしまったのだろうか。昔はあんなに仲が良くて、いつも一緒にいたのに。
「お待たせ」
栞が現れた。ツインニットにチェックのスカートを身に着けた彼女は相変わらずきれいだった。けれど、なんだかやつれているように見える。昔の彼女はあんなにはつらつとしていたのに、20代も半ばを過ぎたからだろうか。自分たちがもうそんなに若くないなんて考えたくない。
「久しぶり。元気だった」
成美が友人を迎える。
「元気よ。成美こそ、元気そうじゃない。今度結婚するんだってね」
「うん。そうなの」
「おめでとう。結婚式は行くからね」
友人は笑顔を浮かべて祝福の言葉を述べる。
「うん。栞が来てくれてうれしい」
「相手の人って、大学時代から付き合ってた彼でしょ?」
婚約者の光太郎の話は以前からしていた。
「そうなの。私たちもう長いからね。それに仕事にも慣れてきたところだし、そろそろどうかって話になったの」
「ふーん、そっか。それは良かったねえ。私もうれしいよ、うんうん」
栞は昔と同じ口調で話す。
そして成美はしばらく光太郎の話や近況を語る。週末は結婚式の準備をするので忙しいと話す。思っていたとおり、友人は成美の幸せを我がことのように喜んでくれた。
「お待たせ」
栞が現れた。ツインニットにチェックのスカートを身に着けた彼女は相変わらずきれいだった。けれど、なんだかやつれているように見える。昔の彼女はあんなにはつらつとしていたのに、20代も半ばを過ぎたからだろうか。自分たちがもうそんなに若くないなんて考えたくない。
「久しぶり。元気だった」
成美が友人を迎える。
「元気よ。成美こそ、元気そうじゃない。今度結婚するんだってね」
「うん。そうなの」
「おめでとう。結婚式は行くからね」
友人は笑顔を浮かべて祝福の言葉を述べる。
「うん。栞が来てくれてうれしい」
「相手の人って、大学時代から付き合ってた彼でしょ?」
婚約者の光太郎の話は以前からしていた。
「そうなの。私たちもう長いからね。それに仕事にも慣れてきたところだし、そろそろどうかって話になったの」
「ふーん、そっか。それは良かったねえ。私もうれしいよ、うんうん」
栞は昔と同じ口調で話す。
そして成美はしばらく光太郎の話や近況を語る。週末は結婚式の準備をするので忙しいと話す。思っていたとおり、友人は成美の幸せを我がことのように喜んでくれた。