ロング・ディスタンス
決別
久しぶりのホテルデートをドタキャンされて以来、神坂からのメールはあれど、「埋め合わせ」の提案はまだなかった。子どもの様態がよほど悪いのか、それともよほど仕事が忙しいのか。そもそも埋め合わせ自体重要なことではないのか。
栞は彼からのメールを待っていた。この前はひどい目にあわせてしまったから、今度はたっぷり時間をとって会いたいと言ってきてほしかった。意地でも、自分の方からそういうことを求めたりしたくはない。けれどそういう連絡が来ないまま、10日間が過ぎようとしていた。
不安が募る。神坂とはもう一か月以上会っていない。この前は「今週がダメなら来週会おう」と急かしてきたくせに、彼は栞と会えなくても寂しくないのだろうか。5年来の付き合いでも、彼が考えていることは未だによくわからない。気分次第で近づいたり、放ったらかしたりというのに振り回されている。
いいかげん疲れた。
栞は彼からのメールを待っていた。この前はひどい目にあわせてしまったから、今度はたっぷり時間をとって会いたいと言ってきてほしかった。意地でも、自分の方からそういうことを求めたりしたくはない。けれどそういう連絡が来ないまま、10日間が過ぎようとしていた。
不安が募る。神坂とはもう一か月以上会っていない。この前は「今週がダメなら来週会おう」と急かしてきたくせに、彼は栞と会えなくても寂しくないのだろうか。5年来の付き合いでも、彼が考えていることは未だによくわからない。気分次第で近づいたり、放ったらかしたりというのに振り回されている。
いいかげん疲れた。