ふたりで過ごす夜のこと
実はこの顔が見たくて、いつも屁理屈をこねている事に、祐李は気づいていない。
ふふふん、と心の中だけで笑って、ごめんなさいとわたしは素直に謝った。
そうすると、祐李は「分かればいいんだよ」と言ってくれる。
いつも何だかんだで最後はわたしに優しい祐李に、わたしはきっとずっと好きでいることを止められないんだと思う。
「祐李、はい!」
わたしがソファーから起き上がって背筋を伸ばすと、祐李は「仕方がないなぁ」と言いながら側に寄ってきて、櫛でわたしの濡れている髪の毛を丁寧に梳かしてくれる。
「毎日言ってるだろ、風呂から出たらすぐに乾かせって」
そう言いながら、慣れた手つきでドライヤーを使って髪を乾かす祐李。
「だって祐李にやってもらうとさらさらになるんだもん」
「まったく…手のかかるお姫さまだなあ、ユキは」