ふたりで過ごす夜のこと
「いいよ。じゃあ寝よっか」
「うん!」
祐李に手を引かれて寝室へ行く。
リビングや台所の電気を消しながら歩く祐李の後ろ姿もわたしは大好きだ。
真っ暗な寝室の中心には、ふたりで選んだセミダブルのベッドが置いてある。
手を繋いだまま布団に入って、毛布に潜り込むと手を離して、わたしの両手は祐李の腰に、祐李の両手はわたしの身体をすっぽりと包んだ。
「ねえねえ祐李!」
「なに?ユキ」
「ふふふん、呼んだだけー」
祐李の胸に顔をすり寄せて目を瞑る。
「ったく、…おやすみ、ユキ」
今日も優しい祐李の声で一日が終わった。
「祐李の困った顔かわいー…」
「!……寝言?…にしても何てことを。明日意地悪してやろ」
「すー、すー……祐李大好き…」
「……やっぱいいや」
「…すー、すー…」