keep dream
26
「もうイイでしょ。離して雅」
「谷原は知ってるんだ」
「そうよ」
雅は強く私の手を握っていた。
「離して!ほっといて、雅と話すことはもう・・ない」
「こころ・・・
「何なのよ。言い訳なんて聞かない。」
「言い訳なんてしないよ。」
「じゃあ離して」
そっと手を離してこう言った。
「こころ、オレもケイタイ変わってないから」
そう言った雅の背中を見送った。
恐る恐るケイタイを開いた。
当たり前だけど谷原なわけがなく
今まで目の前にいた雅だった。
電源を入れたことによって、
センターに溜まっていたメールや電話が今日入ってきたのだ。
丁度一ヶ月前、日本に戻ってきた雅からだった。
すごい量のメールや電話には雅のキモチや優しさ・私に対する想いがいっぱいだった。
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