鬼神姫(仮)
「……四人て、二人しかいないだろ」
銀は大人しく話を聞いている陽に視線を向けてから言った。解っていたことだが、陽には拒絶する意思はまるでないようだ。
「それは後程説明しますよ」
返したのは緋川だった。
「その男は緋鬼(ひおに)、緋川」
雪弥は微かに緋川の方に顎を動かして言った。とすると、彼も人間ではないということ。
「その者は蒼鬼(せいおに)、蒼間」
今度は銀の後ろに控える蒼間に目を向ける雪弥。蒼間はそれに対して小さく頭を垂れた。
「この者は黄鬼(こうおに)、浅黄」
いつの間にか雪弥の隣にいる逞しい男。彼は顔を上げることなく、片膝と片手を畳に付けている。
「我等は全員、鬼なるもの」
雪弥はそう言って銀を真っ直ぐに見てきた。