鬼神姫(仮)



「確かにそなたら人間とは違う生き物です。それでも、我等はそなたら人間より太古から存在するもの」

雪弥が何を言っているのか銀には理解出来なかった。

だから何だというのだ。人間より鬼の方が偉いとでも言うつもりなのか。それを証明するかのように、緋川や蒼間は人間を下等に見ている言動を取る。

「……異物だからですか?」

雪弥の声が今度は耳に届いた。

「異物だから、受け入れられないのですか? これが人間の頼みであるなら、そなたは受け入れるのですか?」

それを否定することは出来なかった。

雪弥は凛とした瞳で銀を見詰めてくる。そこに浮かんでいるのがどんな感情なのかは部屋が明るくない為判らない。

「ならば、我等から見たらそなたらも異物です。我等とは違う異質の存在」

銀は雪弥の言葉にはっとした。

そうなのだ。自分達が鬼を人間でない、と言うならば、彼等から見たら人間は鬼ではない存在。だとしても、先程のような下等として扱う発言はどうにも納得は出来ない。



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