ヘビロテ躁鬱女
 父と鬼黄泉は、真面目に働く私を鼻で笑って見ていた。


――なんとでも言えば良い……。


好きだ、綺麗、可愛いと、褒めてくれる男性が現れるほど、雑誌などで研究し、服装も整え化粧にも気を使った。


――鬼黄泉にも……バイト先の女の子達にも負けたくない。


中、高校生の、あの頃の私が聞いたら、きっと驚くだろう。なにに対しても自信のない私が、いつの間にか対抗意識を燃やしていたのだから。


そんな時、何事も前を向こうと必死な私に、優しいと思っていた母が一言いった。


――チヤホヤされたくって、居酒屋なんかで働いているんだろう?


――チヤホヤサレタクッテ、イザカヤナンカデ……イマ、ナンテイッタノ――?
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