ヘビロテ躁鬱女
 なにかが音を立てて崩れていくのが分かった。


心へ激痛が押し寄せ、体と感情がバラバラになりそうだった。


――違う! 私は、そんなつもりじゃない! 


そんな言葉は、この家族には伝わりそうにもなかった。


私の居場所がどんどん、なくなっていく。帰りが遅くなるたび、急速に減っていく気がする。


――可愛いなんて、客が言う常套句よ。狂子は馬鹿だわ。


――本当、お姉ちゃんって痛いよね! キャハハハ!


母だけは温かさがあると思っていたが、その想いは壊れた。
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