ヘビロテ躁鬱女
「それと、なんですか?」


「真面目なお前のことだ。無いとは信じているが、お前はサボり魔だと聞いた。本当か?」


店長は眼を鋭くし、問いかけた。


今まで一生懸命に店の為に尽くしてきたと思っていたのに、胸がズキッと痛んだ。


「て、店長! それは心外です! 酷いですよ! 誰が言ったんですか?」


「いや、ちょっとな」


誤魔化すように後頭部を掻く店長に、愛子だと確信した。


心で、なにかが崩れていくのが分かった。


地位を手に入れるのも地道ではなく、愛嬌、外面なんだ……。
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