ヘビロテ躁鬱女
「狂子さぁーん。店長が私にレジを教えてくれるみたいなのでホールに戻って良いそうですぅ~」


背後から愛子が現れた。


店長、面談がまだあるって言っていなかった? 愛子を呼びつけ、それを伝えたかったの?


「そうなんだ。狂子、じゃあ戻ろうよ」


「……うん」


「そういえばぁー、狂子さんってぇ、この店で一番真面目で、一番の高給取りなんですよねぇ? 今回はどのくらい上がったんですかぁ?」


愛子がニヤニヤと話を進めた。


上がらなかったから、なに? そんなちっぽけなこと、どうでも良い。


「そうだった。私も丁度今、聞いていた所だったのよ。狂子どうだった? 旨くいったの?」
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