ヘビロテ躁鬱女
「ん、どうした? 時給の件? 狂子は頑張れば、またすぐに上がるよ。気にしない、気にしない」


「お待たせしました。赤ワインのボトルで御座います」


店員がボトルを運んできたので、衣舞のグラスに注いだ。


「上がらないのは仕方ないよ、そうじゃないんだ。店長の理由が……」


「あ、愛子! こっちこっち」


「お疲れ様です~! 輝さんも一緒の上がりだったので、連れて来ちゃいました」


愛子が現れただけではなく、その背後には横溝が立っていた。


――これじゃ相談出来ない……。


「女だらけの中に失礼しまーす」


「輝さん、いいの、いいの。みんなで飲んだ方が楽しいから。ね、狂子!」


「……うん」
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