ヘビロテ躁鬱女
 テーブルには笑いがこぼれた。私は笑顔なんて作れなかった。ワイングラスで表情を誤魔化した。


「お待たせしました。生ビール大と中にボトル、ウーロン茶、氷でございます。お料理のご注文はどうなされますか?」


「適当に輝さん、頼んでくれますか?」


「ああ、分かった」


店員に料理を何品かつげ、お酒の準備が整った。私達はグラスをぶつけ乾杯をした。


「かーっ! 美味い。仕事の後のビールは最高だ」


「本当に美味しいですね! 私、以前キャバクラに勤めていたじゃないですかぁ? その時とはまた違う格別なお酒ですぅ」


「良かったね、愛子。ねぇ、狂子。愛子も相談があるんだって」


3人とも楽しそうだった。雰囲気を壊すのは流石に気が引けた。


「……そうなんだ」
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