ヘビロテ躁鬱女
「衣舞さん、怒らないで下さいよ~。

さっき狂子さんと輝さんにバッタリ会ったんで、二人で飲んでいるのかと思っただけです」


「私が邪魔者みたいな言い方をしないでよね! もう!」


衣舞はお酒を注いでワインを飲んだ。目線はジロジロと和歌子を見ていた。


「和歌子? 今日はやけに、しおらしいじゃん。鉄平を、なんで壁にしてるわけぇ?」


呂律が回らない感情を必死に動かし、声に出した。


「い、いつもと同じだって! 狂子、今日も酔っ払いだね!」


――あんたが酔いを高速化させてるんでしょうーが。
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